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LC Liquid Chromatography 液体クロマトグラフィー 液クロ
01. クロマトグラフィーの歴史と発展
02. クロマトグラフィーの原理、理論
03. クロマトグラフィーのシステム
04. クロマトグラフィーの種類とその活用
05. クロマトグラフィーの充填剤の理解
05-01 ODSカラム
05-02 ヒドロキシアパタイト クロマトグラフィーの原理
05-03 疎水性充填剤
05-04 充填剤の粒度分布
05-05 イオン交換体の比交換容量
05-06 カラム温度と疎水性作用
05-07 化学修飾シリカゲル
05-08 オクタデシル基の化学結合法
05-09 充填剤の種類
05-10 化学結合基
06. クロマトグラフィーと各機器の接続方法
07. クロマトグラフィーの各種検出機器
08. クロマトグラフィーによる定性・定量法
09. クロマトグラフィーによる分取技法
10. クロマトグラフィーの数的取り扱い
05-01 ODSカラムの劣化の検定
一般にカラムの性能の検定方法として、理論段数(N)が用いられる。
理論段数は数値が大きいほど性能がよい。理論段数の高さは逆に低い方が性能のよいカラムになる。分離度は2つの成分のピークの離れ度合いである。1.0に近い数字がベストで、1.0より小さいと接近しすぎて分離不能となる。1.0よりはるかに大きいと、分離に時間がかかりすぎることになる。
カラムの性能評価基準はつぎのとおり。
N(理論段数) ：
ピークの広がりを表わすパラメータ
N = 16(tr/W)2
HETP(理論段数の高さ) ：
1理論段数あたりの充填層の高さ。カラム充填剤固有のクロマト効率を表わすパラメータ
HETP = Z/N
R(分離能) ：
2つのピークの分離の度合いを表わすパラメータ
R = 2(tr2-tr1)/(W2+W1)
tr1：最初のピークの保持時間
tr2：2番目のピークの保持時間
W：ピークの幅
V0：デッドボリューム
σ：標準偏差
次の式によって、ODSカラムの劣化を算出する。定規などによる測定では誤差が大きくなるので、あくまで目安として考える。また、チャートスピードを速くしてピーク幅を広くとるとNやSの算出が容易になる。
N = 5.54(k2/W)2
N値が小さくなると充填状態の低下、充填剤の汚染が考えられる。
k' = (k2-t0)/t0
N値が小さくなると、ODS基のリークが考えられる。
α = [(k2-t0)/t0]/[(k1-t0)/t0]
値が小さくなると、k'低下のほか、充填剤の汚染による選択性の変化が考えられる。
S = B/A
購入時より大きく値がふれる場合は、充填状態の低下、充填剤の汚染、カラム接続部などのデッドボリュームが考えられる。
�．�ラム温度を一定にすること(参考：40℃)
�▲汽鵐廛詛仕戞�注入量を一定にすること(参考：5〜10uL)
Eluent：CH3CN/H2O = 60/40 (v/v)
Flow rate：1.0 mL/min
Sample：��Uracil(8ppm), ��Benzene(1200ppm), ��Naphthalene(200ppm)
05-02 ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー
ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーは、リン酸カルシウムの結晶のひとつであるヒドロキシアパタイトを充填剤とする液体クロマトグラフィーである。ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーによる分離は2つの異なる吸着原理から成っている。ヒドロキシアパタイト表面には負の電荷を有するリン酸イオン(Pサイト)と正の電荷を有するカルシウムイオン(Cサイト)が存在する。リン酸イオンは試料中の正の電荷とイオン的な相互作用をし、カルシウムイオンは試料中のカルボキシル基やリン酸基と配位結合する。このイオン的相互作用と配位結合の強さの差により、試料は分離される。したがって、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーは、イオン交換クロマトグラフィーと配位子交換クロマトグラフィーの混合モードと考えることができる。ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーは、タンパク質や核酸のような生体関連物質の分離に広く用いられてきた。
原料は牛骨を精製して製造している。最近は粒径も微粒子化、円形化されて分離能が上がってきている。今後は特にフラッシュクロマトグラフィーへの活用が期待される。
一般的にヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーでは、試料は低リン酸濃度で吸着し、リン酸バッファー中のリン酸濃度のグラジエント(10〜500 mM)により溶出する。その結果、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーは、IEC(イオン交換体クロマトグラフィー)と異なる溶出挙動を示す。また、ヒドロキシアパタイトは、樹脂系充填剤に比べて低分子物質の非特異的吸着が少ないといわれている。このような理由から、特にイオン交換クロマトグラフィーや疎水クロマトグラフィーで分離できないようなタンパク質やアイソザイムなどの分離に使用されている。
05-03 疎水性充填剤
疎水性クロマトグラフィーの原理
� ．織鵐僖�質は疎水性アミノ酸で形成された固有の疎水性領域を有しているため、セルロファインのような固相に導入された疎水性官能基(フェニル基など)と疎水性相互作用を起こし吸着する。各種タンパク質の相互作用の差を利用して、タンパク質を分離精製しようとするのが、疎水性クロマトグラフィーである。
�◆〜多綫�相互作用は、"物質のファン・デル・ワールス力"と"水分子同士の水素結合により生じた規則構造からの排斥力"の和であるため、ファン・デル・ワールス力が一定である以上(ここではタンパク質分子同士、またはタンパク質の疎水性領域とセルロファインに結合した疎水性基)、タンパク質の溶解している溶媒の性質が、この相互作用に大きく影響することになる。このため、水の規則構造を強化したり弱めたりすることでタンパク質の固相への吸脱着をコントロールでき、それにより各種タンパク質を分離精製できることになる。
タンパク質の吸着に影響する因子
� ｜澗里料多綫�
疎水性の強さはブチル-セルロファイン、フェニル-セルロファイン、オクチル-セルロファインの順になるが、分離精製する目的タンパク質によって条件や使用するゲルは異なる。おのおののゲルで検討する。
�◆￣�、イオン種 アンチカオトロピックイオンで総称される、SO42-、NH4+のような塩析に用いられるイオンは、水分子との規則構造を強めるため疎水性相互作用を強化する。これに対し、逆の効果を示すイオンがカオトロピックイオンである。
各種イオンのアンチカオトロピックイオンとしての効果は次のようになる。
PO43- ＞ SO42- ＞ CH3CO2- ＞ Cl- ＞ Br- ＞ NO3- ＞ ClO4- ＞ SCN- NH4+ ＞ K+ ＞ Na+ ＞ Cs+ ＞ Li+ ＞ Mg2+ ＞ Ca2+ ＞ Ba2+
したがって、一般的に、アンチカオトロピックイオン濃度の高い溶液でタンパク質を吸着させ、その後、この濃度を低くするか、カオトロピックイオンの溶液に置換していくことで、吸着したタンパク質を溶出できることになる。このことは、タンパク質精製の初期段階で硫安(硫酸アンモニウム)などを用いた塩析を行った場合、溶液を脱塩することなく直接疎水性ゲルに応用できるため、とくに有効な精製手段となる。
�� pH、温度
pH変化が疎水性相互作用に影響を与えることが知られている。この影響はタンパク質種により異なり、また、その程度も小さい。温度の場合も、高いほど疎水性相互作用を強める傾向にあるが、タンパク質の安定性や小さい効果などを考えれば、積極的に条件検討する必要はないと思われる。
�ぁ〕�機溶媒
有機溶媒分子は極性が小さく、これが水の規則構造を破壊し、結果として疎水性相互作用を弱めることから、溶出に利用できる。とくに、水溶性タンパク質の溶出において、イオン濃度の変化だけで溶出できなかった場合の有効な手段となる。どの有機溶媒を使用するかは、誘電率とタンパク質への影響のため一概に予測することはできないが、典型的な有機溶媒の誘電率を参考に検討する。
�ァヽμ務萓�剤
吸着したタンパク質より大きな疎水性を有する界面活性剤を溶媒に加えると、界面活性剤が疎水性基に優先的に吸着するため、タンパク質が溶出される。この溶出効果は、界面活性剤の親水性と疎水性の比、HLB(Hydrophile Lipophile Balance)の値が小さいほど大きくなる。生化学関連の文献では、非イオン性界面活性剤のうち、特にTritonX-100が多用されている。この方法で留意しておかなければならないことは、界面活性剤は疎水性基に吸着する一方、タンパク質にも吸着するため、生物活性の失活の危険性があることである。したがって、上記方法を検討したうえでどうしても溶出できない時に用いたほうがよい。ただし、膜タンパク質のように疎水性の強いものには有効な手段となる。
�Α［�速
目的物質と疎水性担体の相互作用が十分強ければ、吸着量に及ぼす流速の影響は問題にならないが、相互作用が弱い場合、流速が早くなるにしたがい吸着量は著しく低下する。
したがって、実験室スケールで最大限の吸着量を引き出したいのであれば、低流速(20〜70 mL/cm2*hr)で流せばよいことになるが、工業的スケールで処理したい場合、高い流速が要求されることになり、このために、より疎水性の高い担体を用いることが必要となり、検討を要する。
05-04 充填剤の粒度分布
HPLCに用いる充填剤は均一化されていることが重要である。その粒度分布を測定する方法には、次のような手法がある。
顕微鏡を用いる方法
最も直接的に粒度分布を測定する方法である。充填剤をスライドグラスとカバーグラスで挟んで顕微鏡にセットし、接眼マイクロメーターを用いて視野の中の粒子の径を一つ一つ計っていけばよい。しかし、この方法では公平に拾い上げることが困難なので、厳密な測定の場合は写真を用いるのがよい。計測する粒子の数が少ないと
信頼性のある結果が得られないので、スライドグラスを動かしてできるだけ多くの写真を撮っておく。
それから、対物マイクロメーターの写真を切り抜いて、スケールに合わせた物差しを作り、写真の中の粒子径をもれなく測定し、記録する。
沈降法
顕微鏡を用いる方法は直接的でわかりやすく、十分な数の粒子を測定すればもっとも正確なデータが得られる。しかし、実際にはかなり面倒で、写真の現像や統計などかなり手数のかかるものである。そこで比較的簡単で古くから行われている方法としての沈降法がある。
いま、直径dの粒子が、ηの粘度の液中を沈降するとすると、過流が存在しないならば、その沈降速度νは
ν = d2[1(ρ-ρ0)g]/18η = H/t
で表わされる。ここでρおよびρ0は、それぞれ粒子および液の密度、Hは沈降距離、tは沈降時間、gは重力加速度である。
05-05 イオン交換体の比交換容量
イオン交換体には陽イオン交換体と陰イオン交換体の2種類があり、その強さによって一般的には強イオン交換体、弱イオン交換体とに分けて用いられている。官能基には一般的に次のようなものがある。
DEAE： -O-CH2CH2-N+-(C2H5)2
CM： -O-CH2COO-
SP： -O-CH2CH2-SO3-
QAE： -O-CH2CH2N+-(C2H5)3
陽イオン交換体の場合
試料の採取量は交換体の比交換容量の程度にもよるが、通常のイオン交換樹脂ならば乾燥重量で2g内外が適当である。これをまず正確に計る必要があるが、交換体が極度に乾燥していると、粒子が破砕したり、性能が劣化するなどのおそれがあるので、測定する交換体を直接乾燥させずに、次のような方法で乾燥させて計測するのがよい。
まず、ろ紙に挟んで表面に付着している液を除いた交換体をよくかき混ぜて、できるだけ水分の含量にむらがなくなるようにする。さらに厳密にしたい場合は、密閉した容器中でしばらく放置するとよい。この一部をはかりびんに取って潤滑重量によって計り取り、比交換容量の測定に用いる。このようにして、測定に用いた交換体の乾燥重量を知る。
こうして計り取った交換体を適当な大きさのクロマトグラフ管に充填してカラムをつくる。これに交換体が完全にH+形になるまで２N塩酸を通す。完全にH+形になったことを確認するには、例えば、交換体がはじめNa+形であったとすれば、流出液中にNa+が検出されるかどうかをみればよい。
それから今度は水を通して、流出液が酸性を示さなくなるまで洗う。これに濃度が正確にわかっている水酸化ナトリウム溶液の過剰量を正確に計って通す。流出液は100mLのメスフラスコに受ける。さらにカラムを水で洗い、洗浄液もメスフラスコに受ける。それからメスフラスコに水を加えて定量し、その10mLずつを取って0.1N塩酸標準液で滴定し、消費された水酸化ナトリウムの量を求める。
水酸化ナトリウム溶液を通して消費された量を求める代わりに、塩化ナトリウム溶液を通して生成した塩酸を水酸化ナトリウム標準溶液で滴定する方法もある。この場合は、用いる塩化ナトリウムの量は交換体のH+を完全に追い出すことができればよく、正確に濃度や液量がわかっている必要がないので、操作は楽になる。ただし、この方法は弱酸性交換体には用いることができない。
逆にNa+形の交換体に、塩酸を通してその消費された量を求める方法も考えられる。この方法は特に弱酸性交換体に適している。
また、H+形になった交換体をカラムから取り出してビーカーに移し、水酸化ナトリウム標準液で直接に滴定する方法もある。この方法は、強酸性交換体の場合にはよいが、弱酸性交換体の場合は反応速度が遅いので、滴定に時間を要する欠点がある。
05-06 カラム温度と疎水性作用
逆相系リガンドとしてアルキル基(C2〜C18)などを化学的に結合されたものが利用されている。シリカをベースとして合成されていたが、近年はポリマー系のものを基材にしているものができている(∵シリカはpH8以上で溶けてしまう)。分離能は両者、特別に差異はないが、ポリマー系でアルカリ域溶出液性は水-有機溶媒系であり、粘性が低く、紫外吸収の低いアセトニトリルがよく用いられる。
カラム温度が高いほど固定相と移動相中の成分との疎水性相互作用は小さくなり、溶出速度は速くなる。低い温度にすると成分との疎水性相互作用は増すけれども、溶媒の粘性が高くなり、分析、分取時間が長くなるので、適当な温度を探して行うとよい。
05-07 化学修飾シリカゲル
今日、非常によく利用されているのがC18(オクタデシルシラン処理)である。C18は、Cの数が18個ということであり、このことにより、種々の物質に適度な吸着力が得られ、HPLC充填剤として適している。
ちなみに吸着力は、
活性炭 ＞ アルミナ ＞ シリカゲル ＞ 化学結合型シリカゲル
である。なお、C18には何種類かの合成法がある。また、合成した後の処理で違った吸着能をもつことになる。
C2からC18まで炭素数を増やしていくと、C18が最も吸着力が大きく、Cの数が減るほど、分子に対する吸着能は弱くなる。C18で吸着能が強すぎる(クロマト分析の時間がかかりすぎる)場合はC8やC4などを用いて分離能、理論段数を求めてみる。もちろん、溶離液性の工夫、カラム温度の工夫でも可能かもしれない。ちなみに、C2くらいになるとかなり順相系の分離モードになってくる。最近はC18を合成した後、フェニル基やイオン交換基などを補充合成している充填剤も開発されてきている。
05-08 オクタデシル基の化学結合法
化学結合型固定相の代表的なものはシリカにオクタデシル基を化学結合した充填剤で、ODSあるいはC18と呼ばれているものである。
そのODSの性質は結合相（モノメリック相、ポリメリック相）の違い、炭素結合量の違い、残存シラノール基の処理法の違い、シリカ担体の物性（粒子径、比表面積、細孔容積、細孔径）の違いにより決まってくる。
モノメリック相は、シリカ表面に単分子有機相が形成されたものである。反応試薬としてはモノクロロオクタデシルシランが使用されている。微量の存在下で、ジあるいはトリクロロオクタデシルシランを用いるとポリメリック相ができる（微量の水は多官能シランを加水分解して重合させる）。基材としてはシリカゲルを中心に、ポリマーゲルなどが用いられている。シリカゲルは使用pHに制限があり、pH2〜8とされている。
ODS（octa decyl silica）の製法と処理方法
1） シリカゲルの結合方式
化学結合型のシリカゲルの結合方式として、主に3種のものが知られている。
（1）エステル化
Si-OH(シラノール) + ROH -脱水→ Si-O-R + H2O
この結合方式には、水による加水分解を受けやすいためガスクロマトグラフィー用充填剤に適している。
（2）グリニュール反応
Si-OH(シラノール) -SOCl2 Cl化→ SiCl -RMgCl グリニュール反応→ Si-R + MgCl2
一般的に液体クロマトグラフィー用に使用されている表面積の大きなシリカゲルへの反応には再現性が得られにくく、結合量も多く取れない。また反応副生成物の除去が困難で市販化学結合シリカゲルとしてはあまり実用化されていない。
2） ODS化の実際
まず、シリカゲル表面の可逆的なシロキサンを希塩酸などで加水分解させシラノールにする。シロキサンになっていると結合できないため使用している間にシラノールに加水分解して、分離に変化を起こす可能性がある。
次に、トルエンなどの非極性溶媒中でシリル化剤とシリカゲルをフラックスして反応させるが、使用溶媒、温度、時間、触媒添加などによって得られるODS結合量は異なる。またシリル化剤の種類によって結合形式が異なり分離パターンに影響を与える。
ODS化の主なシリル化剤としては、��C18(CH3)2SiCl、��C18(CH3)SiCl、��C18SCiCl3の3種類がある。�，両豺腓任魯轡螢�ゲル表面シラノール1個に対して1個のODSが
結合されるが、��, ��ではシラノール2個または3個に対して1個のODSが結合される可能性がある。この結合形式は結合条件だけでなく、母体シリカゲルの合成法によっても異なる。そのため同じODSでもメーカーにより分離性能に差が出てくるのである。ODSは大きな分子であるために全てのシラノールに導入することは不可能である。そのためODS化後も未反応のシラノールが残る。このシラノールは試料の吸着要因となりクロマトグラムを行う場合の分離のばらつきの原因となる。
そのため小さな分子である(CH3)8SiClなどのシリカゲル化剤でシラノールを処理する。この処理をエンドキャッピングという。最近のODSの性能はほとんどこのエンドキャッピングによって決まり、その評価方法も報告されている。
05-09 充填剤の種類
無極性相互作用は、固相の官能基の炭素・水素結合と、分離目的物質中の炭素・水素結合との間で起こる。このような力は、一般にファン・デル・ワールス力または分散力として知られている。大部分の有機化合物分子は無極性構造になっているため、無極性官能基を表面に備えた無極性固相上に分離目的物質を保持するのに無極性相互作用がよく使われる。
極性相互作用は、多数の固相と分離目的物質の官能基の間で見られる。極性相互作用には、水素結合、双極子-双極子、π-π、その他官能基の各原子上の電子分布が均等でないために、正負の分極を示している多数の相互作用がある。この性質のために、極性官能基をもった分離目的物質が固相の極性官能基と相互作用する。この種の相互作用を示すグループの代表的なものには、水酸基、アミン、カルボニル基、芳香環、スルフヒドリル(メルカプト)基、二重結合や酸素、窒素、硫黄やリンのような異種核を含むグループがある。
� 〕曠ぅ�ン性でありうるグループ（正に帯電）
�◆￣▲ぅ�ン性でありうるグループ（負に帯電）
陽イオン性のグループの例としては、第一級から第四級までのアミンやカルシウム、ナトリウムやマグネシウムなどの無機陽イオンが挙げられる。陰イオンの例としては、カルボン酸、スルホン酸、リン酸やその他のグループがある。
潜在的にイオン性のグループも、周囲の溶媒環境のpHによって帯電したりしなかったりするため、これらのグループは陽イオン性または陰イオン性で"ありうる"といわれている。
無極性充填剤の例
C18 ： -Si-C18H37
C18 ： -Si-C8H17
Phe ： -Si-<~_>
極性充填剤の例
CN ： -Si-CH2CH2CH2CN
SI ： -Si-OH
NH2 ： -Si-CH2CH2CH2NH2
イオン交換充填剤の例
CSX ： -Si-CH2CH2CH2<~○_>-SO3-
DEAE ： -Si-CH2CH2CH2N+H(CH2CH3)2
SAX ： -Si-CH2CH2CH2NH2
05-10 化学結合基
シリカゲルに固定相を化学結合させる充填剤の活用は、種々の成分の分離に有効である。
クロマトグラフィーの発達を歴史的に見ると、Tswettが用いた吸着型が当初のもので、アルミナ、シリカゲルなどを用いるものであった。その後イオン交換の原理が解明され、イオン交換樹脂が有効に活用されてきた。その後、種々のクロマトグラフィーの進展とともにゲル濾過用の充填剤、化学結合型の充填剤、と開発されてきたのである。
固定相構造と相互作用をピレニルエチル基（PYE）を例にとって説明すると、PYEの化学構造により、疎水相互作用、π-π相互作用や電荷移動による錯体形成作用、一般的にいわれる双極子-双極子作用を持つことになる。
� ．�クタデシル基 C18 -(CH2)17CH3
Cの18結合は広範囲の化合物に適していて、現在のHPLCには非常によく用いられている。
�◆．屮船覺陝�C4 -(CH2)3CH3
C18の代わりにブチル基を化学結合した形で、C18系やC8系よりも保持力が弱いため、より疎水性の強い化合物に適しているといえる。
�� フェニルエチル基 PE -(CH2)2-<~○_>
フェニルエチル基を結合した形で、その分子構造上からも環状基を持っているので、C18系やC8系などとは違って、相対的に芳香族化合物の保持が大きいので、相補的に用いると効果的である。
�ぁ．▲潺離廛蹈團覺陝�NH2 -(CH2)3NH2
アミノプロピル基は、逆相クロマトグラフィーの一種ではあるが、極性が弱く、非極性の有機溶媒とともに、順相吸着クロマトグラフィーにも適している。
�ァ．献�ール基 OH -OH・OH
ジオール基は、タンパク質やペプチドの分離に適していて、その分離パターンはゲルろ過クロマトグラフィー的である。また、充填剤の細孔径を変えることによって、中分子、高分子の分離に自由度が増す。市販されている例として120Å、300Å等がある。
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