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LC Liquid Chromatography 液体クロマトグラフィー 液クロ

01. クロマトグラフィーの歴史と発展
 01-01 クロマトグラフィーの発明
 01-02 ガスクロマトグラフィー
 01-03 イオン交換クロマトグラフィーとアミノ酸分析計
 01-04 薄層クロマトグラフィー
 01-05 ゲル濾過クロマトグラフィー
02. クロマトグラフィーの原理、理論
03. クロマトグラフィーのシステム
04. クロマトグラフィーの種類とその活用
05. クロマトグラフィーの充填剤の理解
06. クロマトグラフィーと各機器の接続方法
07. クロマトグラフィーの各種検出機器
08. クロマトグラフィーによる定性・定量法
09. クロマトグラフィーによる分取技法
10. クロマトグラフィーの数的取り扱い

01-01 クロマトグラフィーの発明
 1845年頃 イオン交換現象の発見[J.Spence, S.Thompson]
 1906年 葉緑素、カロチンの分離(クロマトグラフィー命名)[M.Tswett]
 1935年 イオン交換樹脂の発明[B.A.Adamus, E.L.Holmes]
 1941年 分配クロマトグラフィー[A.J.P.Martin, R.L.M.Synge]
 1952年 ガスクロマトグラフィー[A.J.P.Martin]
 1962年 ゲル濾過クロマトグラフィー[J.Porath, P.Flodin]
 1971年 Chemically bonded stationary Phase[J.J.Kirkland]

 二十世紀初頭、M.Tswettは、ガラス管の一端を細くし、炭酸カルシウムを詰めてこれに抽出物からの粗精製葉緑素を吸着させたのち石油エーテルを流すと吸着バンドが緑色と黄色の2つに分離することを発見した。

 Tswettは、この方法に「クロマトグラフィー(chromatography)」という名を与え、論文として発表した(1906年)。

 "chromatography"の語は、ギリシャ語の"chromato"[色(chroma)]に由来する。このような語源から生まれてきたクロマトグラフィーは、もっぱら有色化合物の分離(緑色のクロロフィルを炭酸カルシウムにしみこませて、切り出していくような手法)に用いられた。その後は、装置的検出法の創意工夫により無色化合物に対しても有用な方法として発展してきた。

 1941年、A.J.P.MartinとR.L.M.Syngeは、水を含んだシリカゲルまたはデンプンのカラムを用いた分配クロマトグラフィーを発表した。M.Tswett以来行われてきた方法は、今日では吸着クロマトグラフィーと呼ばれているが、これに対して、分配クロマトグラフィーは種々の特徴を有し、その後大きく発展した。彼らは、その論文の中で有名なプレートモデルを発表した。これがクロマトグラフィーに関する理論の最初のものであり、これを端緒として、理論面でも大きな発展が始まった。MartinとSyngeは、これらの研究によりノーベル化学賞を受賞した。1944年にMartinらは、さらに濾紙を用いた濾紙分配クロマトグラフィーを発表した。これは装置や操作が簡単で、また一度にたくさん処理できる特徴があった。その後、アメリカで開発されたガスクロマトグラフィーへと発展した。1970年代に入ると、アメリカのKirkland博士らによって開発されたHPLCが、ガスクロマトグラフィーを凌ぐ分離能・迅速性を持つ精密分析法として、飛躍的に活用されてきた。その一つの大きな要因として、化学結合型充填剤の開発がある。

 1969年にJ.J.Kirkland(アメリカ)は、表面多孔性充填剤を開発し、1971年には化学結合型充填剤の製造に成功した。

 充填剤の粒径を細かく(10um〜5um, 3um)することにより、より小さいカラムで分析することが可能となり、小容量の溶出液で速く結果を得られるようになった。また、粒子の形も球形化が進み、1960年代の充填剤に比べて圧力損失が極端に下がり、中圧、高圧で溶離液を流しても分析が可能となり、分析時間の短縮化に貢献した。

 現在汎用されている各種の化学結合型充填剤の種類
 無極性
 C18 : オクタデシル  Si-C18H37
 C8 : オクチル  Si-C8H17
 C2 : エチル  Si-C2H5
 CH : シクロヘキシル  Si-<~_>
 PH : フェニル  Si-<○>
 極性
 CN : シアノプロピル  Si-C3H6-CN
 20H : ジオール  Si-C3H6-O-CH2CH(-OH)-CH2(-OH)
 SI : シリカゲル  Si-OH
 NH2 : アミノプロピル  Si-C3H6-NH2
 PSA : N-プロピルエチレンジアミン  Si-C3H6(-NH)-C2H4-NH2
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01-02 ガスクロマトグラフィー
 キャリヤーガスとしては、不活性ガスのヘリウム、水素、窒素、アルゴンなどが使用される。これらは、ボンベから連続的にカラムに供給され、流速を一定にするため、その圧力はニードルバルブなどによって、精密に調整できるようになっている。
 検出器には水素炎検出器(FID)などが汎用されている。環境ホルモンなどの特異的物質には、その分子に応じた検出器が用いられる。

 ガスクロマトグラフィーの利点
   ̄嫗離ロマトグラフィーでは、カラムを長くすると分離が遅くなり、操作は困難となるが、気体は液体よりはるかに粘性が小さいため、長いカラムを用いることは容易であり、したがって分離能が上がってくる。
 ◆仝把蠢(液体)、移動相(気体)中での試料成分の拡散が速やかであるから、移動相の流速を速くすることができ、それだけ分析時間が短くなる。
  ガスクロマトグラフィーで直接に扱うことのできる試料は、沸点が400〜500℃以下のものであるが、不揮発性の試料でも、沸点の低い誘導体に変えることによって分析の対象となりうる(たとえばアミノ酸、ベンゼンポリカルボン酸、ナフタリンスルホン酸など)。高分子化合物では、熱分解生成物をガスクロマトグラフィーで分析すれば、構造についての価値ある情報が得られる。
 ぁ^榮袷蠱罎寮分濃度を連続的に測定して自記記録することが容易である。
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01-03 イオン交換クロマトグラフィーとアミノ酸分析計
 イオン交換法が分析化学の手段として大きく発展したことは、B.A.AdamsとE.L.Holmesによるイオン交換樹脂の発明(1935)による。ただし、イオン交換法がはっきりクロマトグラフィーの形をとるのは、1947年に発表されたE.R.Tompkinsらの原子核分裂生成物中の希土類元素の分離に関する研究からといってよいであろう。

 液体クロマトグラフの自動化の試みも古くからいろいろあったが、初めて実用化されたのは、D.H.Spackman, W.H.Stein, S.Moore のアミノ酸分析器においてである。実は、すでにSteinとMooreのアミノ酸分析器があるのだが、これに先立ち、SteinとMooreによる長年に及ぶ基礎研究があった。彼らは最初、デンプンカラムによる分配クロマトグラフィーを用いたが、後になってイオン交換クロマトグラフィーを用いるようになった。アミノ酸分析器には、後者の方法が用いられている。非常に難しかったタンパク質加水分解物中のアミノ酸の定量分析が、およそ一昼夜の時間で、まったく自動的に行われるようになった。その後、この装置はとくに生物化学の領域に革命的といってもよいほどの影響を与えた。今日の分子生物学は、この装置なくしては成立しないといっても過言ではないであろう。この装置はまた、従来まったく手操作に頼っていた液体クロマトグラフィーの自動化のきっかけにもなり、ガスクロマトグラフィーの陰にかくれていたカラム液体クロマトグラフィーの華々しい再登場の下地をつくることにもなった。

 アミノ酸分析器において、試料はプレカラム(アンモニアなどの妨害成分を除去する)、ガードカラム、分離カラム(陽イオン交換カラム)、反応コイルA、反応コイルBを経て、蛍光検出器で検出される。ガードカラム〜反応コイルBまでは50℃(反応温度)に保温されるようになっており、反応コイルAではNaCl O試薬と、反応コイルBではOPA試薬と、それぞれ反応して発色する仕組みになっている。反応試薬としては、ニンヒドリン試薬とオルトフタルアルデヒドが一般的に用いられる。蛍光検出器の波長 は、励起波長475nm、吸収波長515nmである。

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01-04 薄層クロマトグラフィー
 1944年に、R.Consden, A.Gordon, A.Martin によって、カラムを用いないペーパークロマトグラフィーが開発された。その研究は、土管の中に吊るした1枚の濾紙の上でアミノ酸などの混合物を一斉に分離して、検出してゆく微量分析法であった。これに比べて薄層クロマトグラフィーそのものはもっと古く、1938年に発明されたものであった。すなわち、ロシアのIzmailovとShraileerが、水平のガラス板上のアルミナの薄層を、生薬の分析に活用したのが始まりである。現在知られているような薄層クロマトグラフィーは、1951年に始まったKirchnerらのグループによるクロマトストリップ法と呼ばれる方法でのテルペン類の分析に関する報告に始まる。

 薄層クロマトグラフィーの利点
  ’層プレート1枚で同時に多数の試料の分析ができる。他のクロマトグラフィーでは1回の溶出で1検体の処理である。
 ◆’層クロマトグラフィーは優れた簡易な方法で、データ処理などは必要とせず自らの見た目でいろいろの情報を得ることが可能である。また、2回展開することも可能である。
  薄層上のスポットからは、各種の判定試薬を吹き付けることにより、様々のデータを得ることができる。
 ぁ(析装置そのものが安価である。ガスクロマトグラフィーや液体クロマトグラフィー(数百万円)に比べて1/10程度の価格である。
 ァ.スクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィーの場合、ともにカラムにまったく保持されない物質が溶出された後、目的物質が溶出する形で分析される。これに対して、薄層クロマトグラフィーでは、展開溶媒が展開された原線から溶媒フロントまでの間に全ての物質が分布し、分析が終了する。スポットした物質全てが一目で分かることは大きな利点である。
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01-05 ゲル濾過クロマトグラフィー
 1975年、スウェーデンのJ.Porathは、着色したタンパク質を電気泳動法を用いて分離しようとし、ゲル濾過現象を発見した。A.R.K.Tiseliusは、このゲル現象を Gel filtration と提案した。

 ゲル濾過用クロマトグラフィーとしてその後活躍するのは、1975年にスウェーデンで開発されたセファデックスである。その材質は次のとおり。

 デキストランはグルコース残基によってなる多糖で、ショ糖の発酵により産生される。グルコース残基はα-1,6-グルコシド結合で結合している。糖鎖はある程度分枝している。デキストランは水に可溶で、デキストランに橋掛けをしてゲルを作ると、ゲルの多糖鎖は三次元の網目を形成する。

 このように出来上がったゲル三次元マトリックスが、不溶ゲルになる。この三次元マトリックスを持ったゲルは、当初は球形にするのが難しかったが、現在では99%以上が均一球形になっている。均一球形ゲルにすることにより、圧力損失を小さく抑えることができる。また、最近の研究開発により、粒径も数百〜数umまで製造可能になっている。
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