HOMEBIOTECHNOLOGY>DNAマイクロアレイ 4.データを解析する


DNAマイクロアレイ  3.サンプルを準備する

マイクロアレイのサンプルは、目的によって、大きくRNAとDNAに分けられます。マイクロアレイの定義の話をはじめてしまうと現在では抗体などのタンパク質を載せたアレイも作られているのでそれも"マイクロアレイ"に入ってしまうのですが、それらは"抗体アレイ"や"Proteinアレイ"として区別されることが多いです。ここでのマイクロアレイやアレイという表現はDNAマイクロアレイとおきかえてください。RNAを解析対象とするのは、主にmRNAの発現解析をするためのマイクロアレイで、DNAを対象とするのはCGH解析やSNPs解析をするためのアレイです。何を解析したいのか、実験の目的によってサンプルを準備する際の留意点は異なってくるので、まずはRNA用とDNA用に分けて話を進めていきたいと思います。
 >RNA用はこちら >DNA用はこちら
いずれの場合にも共通していえることは、サンプルのもつ背景を揃えることです。マイクロアレイの実験はコントロールとなるサンプルと対象とするサンプル間の違いを見ることを原則としています(ということは、例外もあるんですね)。複数のサンプルを用意することが必要になるので、見たい違い以外の要素を同じにする必要があります。簡単なようで、実はもっとも難しいポイントがここにあります。

 培養細胞の場合 : 同じ培養時間のものからRNA抽出する。同じ株を使用する、異なる株間の比較をする場合は細胞数を揃える。
 マウスなど個体を用いる場合 : 同じ個体からサンプリングする(ガン細胞と正常細胞を比べる場合、)
 この時点で、基礎条件をまったく同じにすることは無理だということに気づきます。特に難しいのはヒトの臨床サンプルで、性別も、年齢も、生活環境も、既往症も、あらゆる条件の異なるサンプルしか用意できないことがほとんどです。血液は比較的採取しやすく、健常のサンプルも採れますが、例えば心筋の生検サンプルを健常人から採るのはまず不可能です。"病態Aと健常の違いを見たいが、病態Aと病態Bと病態Cのサンプルしかなく、病態B,Cをコントロールとして病態Aとの違いを見るしかない"という状況も十分にありえます。ではそもそもマイクロアレイに実験は無理なのでしょうか??答えはNOです。サンプルを用意した段階で、得られる結果がもつバイアスの内容(どの条件は揃えたのか、何を妥協したのか)を理解して解析を行うことです。


RNAをサンプルとする解析手法には、1.mRNAの発現量を比較する実験、2.miRNAの発現を比較する実験、があげられます。


DNAをサンプルとする解析手法には、1.CGH様実験、2.ChIP-on-Chip解析、3.SNPs解析、4.塩基配列解析があげられます。

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